ご存知ですか?アルコール依存症の特徴や症状
- 1. 意思や性格に関係なく、誰もが発症する可能性のある病気。
- 2. 発症後は飲み方が変化し、飲酒をコントロールできなくなる。
- 3. 離脱症状が起こる(体内アルコール濃度の減少による手の震え、発汗、イライラなどの症状)
- 4. 慢性的に進行する。
- 5. 身体面、精神面はもちろん、生活面、人間関係にも問題が生じる。
- 6. 治療により断酒すれば回復するが、自分の力だけで回復するのは困難。
アルコール依存症の進行プロセス
- アルコール依存症は、一度や二度の飲酒で発症する病気ではありません。
- しかし、不適切な飲酒を続けていると、気付かない間に依存症へのプロセスを進んでいくことになります。
- もちろん専門医による治療を受ければ回復は可能ですが、予防をするためにはご自身やご家族による自覚・注意が大切です。
- まずは、アルコール依存症の進行プロセスを理解しましょう。
1. 受診・入院前の準備
- 外来での相談・診察
- ・本人または家族が医療機関(精神科・心療内科など)を受診します。
- ・アルコールの摂取量、依存の程度、身体合併症(肝障害、膵炎など)を確認。
- 入院の必要性判断
- ・禁断症状が強い、家庭で断酒が困難、身体状態が悪い場合などに入院を勧められます。
2. 解毒(デトックス)期(約1〜2週間)
- 目的:身体的離脱症状の緩和と安定化
- ・入院直後は、アルコールを絶つことで起きる離脱症状(手の震え、不安、発汗、幻覚など)を医療的に管理します。
- ・点滴や薬物(抗不安薬、ビタミン剤など)で体調を整えます。
- ・栄養管理や睡眠の改善も同時に行います。
- ・身体が安定すると、少しずつ面談やグループ活動に参加。
3. リハビリ・回復期(約3〜10週間)
- 目的:再飲酒を防ぐための心理的・社会的回復
- ・個人面談:医師・心理士・ソーシャルワーカーが本人の飲酒歴や背景を整理。
- ・集団療法(ミーティング):
- ・依存症教育(アルコールが脳に与える影響など)
- ・仲間とのグループミーティング(自助グループ型)
- ・再発予防プログラム(飲酒欲求の対処法など)
- ・家族面談・家族教室:家族も依存症への理解を深め、支援の方法を学びます。
4. 退院準備期(約1〜4週間)
- 目的:社会復帰と断酒継続への支援体制づくり
- ・退院後の生活計画を一緒に立てます。
- ・地域の自助グループ(例:断酒会、AA=アルコホーリクス・アノニマス)への参加を促します。
- ・外来通院やデイケア(リハビリ施設)と連携。
- ・家族や職場との調整を行うこともあります。
- ・入院中に自宅等に外泊をして退院後の生活に向けた訓練をします。
5. 退院後のフォローアップ
- 目的:再飲酒防止と生活の安定化
- ・定期的な外来通院(診察・カウンセリング・服薬管理)
- ・断酒会やAAへの継続参加
- ・デイケアでのリハビリ継続(再発防止プログラムなど)
- ・必要に応じて訪問看護、就労支援や生活支援の利用
まとめ |
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| 治療段階 | 期間目安 | 主な目的 |
| 解毒期 | 1〜2週間 | 身体の安定化 |
| リハビリ期 | 3〜10週間 | 心理的・社会的回復 |
| 退院準備期 | 1〜4週間 | 社会復帰支援 |
| 退院後 | 継続 | 再発予防と生活支援 |
※治療期間は目安でこの限りではありません。
