治療と支援の内容

依存症は、長い時間をかけて 「心」と「身体」をむしばんでいきます。 この病気から回復していくために、当院では「心」と「身体」の両面へアプローチし支援していけるような体制をとっています。

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グループミーティング

少人数でグループミーティングを行っています。少人数で行うので、お酒にとらわれてきた自分をありのままに話すことができます。自助グループの方に来ていただいて、酒なしの生活術などをお伺いする機会もあります。また、女性だけで行う会もあります。参加される方にとっては、少人数だからこそ、安心して話せ、自分の気持ちをわかってもらえ、自分の生き方を振り返れる場になっています。

院内断酒例会

お酒で苦しんできた体験を話し合う会です。自分とお酒との関係を振り返り、他の方の話を聞くことで断酒の必要性を認識する機会になります。院内断酒例会は、各地域で行われている断酒例会とまったく同じ形式で行っておりますので、退院後、自助グループに入っても戸惑わずにすむという利点もあります。県内外から多くの回復者にお越しいただく「特別院内断酒例会」や「土曜例会」もあります。

作業療法

家庭復帰や、社会復帰を目指し、集団において様々な作業療法活動を行っています。たとえば、脳トレーニングや散歩、創作活動、カラオケ、映画鑑賞やスポーツなどです。またアルコール学習会にも力を入れています。酒がなくても楽しむことができることを目的に、酒なし花見会などレクリエーションも年間行事として開催しています。退院しても社会に順応できる体力づくりや、集団での行動ができるよう、支援させていただいています。

ARP学習会

アルコール依存症という病気から回復するためには、この病気を正しく理解し、上手に“付き合って”生きていかなければなりません。そのためには病気についての正しい知識を得ることが大切です。アルコール依存症や関連する問題について、テキストやDVDを用いて、グループで学習会を行い、ともに病気についての理解を深めます。

個人精神療法・カウンセリング

医師による精神療法や、臨床心理士によるカウンセリングを行います。お酒をやめていくうえでの悩みだけでなく、自分のことや、家族のこと、対人関係のことなど、心に抱えているしんどさ、生きづらさについて、一緒に考えていく場を提供させていただいています。

栄養指導

個々の患者さまとご家族の方に適応した栄養食事指導を行います。医師の指示のもと、管理栄養士が皆様の病態に適応した一日の食事量や食事のとり方、注意点などを患者さまと相談しながら、お話をいたします。食事だけでなく、運動を含めた生活習慣の改善も必要となります。1回限りでなく、継続して個人栄養食事指導を受けていただくことも可能です。

機能回復訓練

食べる・飲み込む機能が低下した患者さんを対象に、食べ物を使わず「飲み込む力」をつけるための訓練や、食事をしながら安全な”食べ方”を身につける訓練を行います。窒息や肺炎を予防し、食べる楽しみを感じられるよう多職種で連携して取り組んでいます。

院内行事

院内や院外で、年間を通じて季節を感じられるような行事を実施しています。院内作業療法プログラムと連携し、野外活動、ハイキング、院内酒なし花見会、納涼盆踊り大会、クリスマス会、餅つき大会、とんど祭り などを行っています。また他施設と合同でソフトバレーボールやグラウンド・ゴルフなどのスポーツ交流大会やレクリエーション、地域断酒会と連携して断酒大会や特別院内断酒例会などを行うことで、患者さんが社会とつながりを持ち、社会生活障害から回復する援助をおこなっています。

外出支援

アルコール中心の生活が続き、“健康的”な日常生活がうまく送れなくなっていることがあります。たとえば、公的機関への申請や生活に必要なお金の支払い、今後利用する支援やサービス事業所への見学など・・・退院後、少しでもスムーズに断酒生活に入っていただくために、スタッフと一緒に自宅などへ外出し、“苦手”となっていることを一緒にやってみるという支援を行っています。

合併症治療

アルコールを長期にわたって摂取していると、様々な身体の病気を併発します。アルコールが身体に直接悪い影響をもたらすだけでなく、飲酒優先で適切な食事をとらないために栄養障害が起きることも多いのです。内科的な治療も併せて行っていくことで、依存症治療に専念できる環境を用意しています。

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